Web制作が予定どおりに進まない原因は、技術的な問題より社内の事情であることが少なくありません。
担当者と打ち合わせを重ねて、ようやくデザインが固まった。ところが社長に見せたら「なんか違う」とひっくり返る——これはよくある光景です。
制作者と依頼者の間ではなく、依頼者の社内で起きるこの問題。どう防ぐかを整理します。
よくある3つの場面
① 最後に偉い人が出てきて、ひっくり返る
いちばん多いのがこれです。担当者に任せて進めていたのに、最終確認の段階で決裁者が初めて見て、方向性ごと変わってしまう。
それまでの修正はすべてやり直しになり、期間も費用も大きく膨らみます。
② 関わる人が多く、意見がばらばら
「営業はこう言う」「現場はこう言う」「社長はこう言う」——全員の意見を取り入れようとした結果、何も決まらないパターンです。
まとまったとしても、全員の要望を足し合わせたサイトは誰にも刺さらない中途半端なものになりがちです。
③ 途中から別の人が加わる
進行中に新しい担当者が入り、それまでの経緯を知らないまま意見を出すケース。一度決めたことが蒸し返されて、話が振り出しに戻ります。
最初に「決める人」を1人決める
これらの問題は、ほとんどが一つの準備で防げます。
最終的に判断する人を、最初に1人決めておくことです。
意見を出す人は何人いても構いません。ただ、意見が割れたときに「こっちで行く」と決める人がはっきりしていれば、話は前に進みます。
そして大事なのは、その人が最初から関わることです。忙しい社長に最後だけ見てもらう形は、①の典型的な原因になります。
決裁者が忙しいときは、要所だけ押さえる
社長や上長がずっと打ち合わせに出るのは難しい、という会社も多いはずです。その場合は節目だけ関わってもらう形にします。
- 最初:目的と方向性を決める場(ここは必ず出てもらう)
- 構成が固まったとき:何を載せるかの確認
- デザインの初回提案:見た目の方向性の確認
特に最初と、デザインの初回は外さないでください。ここで方向性に合意しておけば、あとからひっくり返ることはまずありません。
逆に、文章の細かい言い回しや写真の差し替えといった細部は担当者に任せてもらう。この役割分担を最初に社内で合意しておくと、進み方がまったく違います。
意見を「好み」と「目的」に分ける
意見が割れたとき、多くの場合は好みの話をしています。「この色が好き」「もっと派手なほうがいい」——これは人によって違って当然です。
そこで役に立つのが、「それはお客様にとってどうか」という問いに戻ることです。
- ✕「社長はこっちの色が好きだから」
- ◯「お客様に信頼感が伝わるのはどちらか」
判断の軸を「社内の好み」から「お客様の反応」に移すと、意見は驚くほどまとまります。そもそもサイトは、社内の人ではなくお客様のために作るものだからです。
意見は、まとめてから伝える
制作者への伝え方にもコツがあります。社内の意見をまとめてから、一本化して伝えることです。
AさんからもBさんからも別々に修正依頼が届くと、制作者はどちらを優先すべきか判断できません。矛盾した指示が混ざることもあります。
窓口は1人にして、社内で整理してから伝える。これだけで、修正の回数も期間も大きく減ります(修正指示の伝え方)。
修正回数に上限がある契約なら、なおさらです。社内の意見がばらばらのまま伝えると、あっという間に回数を使い切ってしまいます(追加料金と範囲の決め方)。
相談の段階で伝えてほしいこと
制作者側から見ると、次のことが最初の相談時点で分かっていると、とても進めやすくなります。
- 窓口になる担当者は誰か
- 最終的に判断するのは誰か
- 決裁者が確認に入るのはどの段階か
- 社内で確認にかかる日数の目安
「社内の確認に1週間かかる」と分かっていれば、それを見込んだスケジュールを組めます。分かっていないと、制作者は待つしかなく、全体が後ろにずれていきます(初回相談で話すこと)。
まとめ
制作が止まる原因の多くは、社内で誰が決めるかが曖昧なことです。
最終判断する人を1人決め、その人に最初とデザイン初回だけは必ず関わってもらう。意見が割れたら「お客様にとってどうか」に戻り、制作者には窓口を1本にして伝える——この3つで、ほとんどの停滞は防げます。
Sea Soundでは、最初の相談で社内の体制や確認の流れを伺い、それに合わせた進め方をご提案しています。無料相談からお気軽にどうぞ。