制作を依頼して、最初のデザインが上がってきた。でも「なんかイメージと違う」——この気持ちを、どう伝えればいいか分からず固まってしまう。よくある場面です。
デザインの知識がなくても大丈夫です。伝え方のコツさえ押さえれば、意図はきちんと伝わります。この記事では、そのまま使える例文も載せています。
なぜ「イメージと違う」だけでは進まないのか
「イメージと違う」は感想であって、情報ではありません。受け取った側は、
- どこが違うのか
- どう変えたいのか
- なぜそう感じたのか
がまったく分からないため、勘で直すしかなくなります。結果、修正しても違和感が残り、何度もやり取りが続く——という悪循環に陥ります。
伝わる修正依頼の3要素
難しく考える必要はありません。次の3つを添えるだけで、伝わり方がまるで変わります。
① どこが(場所を特定する)
「上から2つ目のセクションの見出し」のように、場所をはっきり伝えます。スクリーンショットに印をつけて送るのが、いちばん確実で早いです。
② どうしてほしいか
「もう少し大きくしたい」「明るい色にしたい」など、希望の方向を伝えます。細かい指定でなくて構いません。
③ なぜそう思うか
これがいちばん効きます。「年配のお客様が多いので、文字が小さいと読みにくいと思った」——理由が分かると、相手はもっと良い代替案を出せます。
たとえば「文字を大きく」だけだとそのまま拡大されますが、理由が分かれば「行間も広げましょう」「コントラストも上げましょう」と提案が返ってくる。理由を伝えるほど、質の高い修正になります。
そのまま使えるメールの例文
実際の文面にすると、次のような形です。カッコの中を自分の状況に置き換えるだけで使えます。
件名:〇〇LP デザイン修正のお願い(1回目) 〇〇様 デザイン案をありがとうございました。 全体の方向性は〇〇な印象で、イメージに近いと感じています。 以下、修正をお願いしたい点です。優先度をつけました。 【優先度:高】 1. 場所:ファーストビューの見出し 現状:〇〇となっています 希望:〇〇に変更したいです 理由:主なお客様が〇〇なので、〇〇と伝わるほうが良いと考えました 2. 場所:料金表の下 現状:問い合わせボタンがありません 希望:ボタンを追加したいです 理由:料金を見た直後が、いちばん行動されやすいと思うためです 【優先度:中】 3. 場所:お客様の声のセクション 現状:写真が大きく、文章が読みにくく感じます 希望:文章が目に入りやすくしたいです 理由:内容を読んでもらうことが目的のためです 社内の確認は済んでおり、今回の内容が最終となります。 〇月〇日ごろまでにご対応いただけますと助かります。 よろしくお願いいたします。
ポイントは4つです。
- 番号を振る:やり取りのとき「1番の件ですが」と言えます
- 場所・現状・希望・理由をそろえる:3要素がそのまま型になります
- 優先度を書く:時間が足りないとき、何を優先するか判断できます
- これが最終だと伝える:あとから追加が来ないと分かれば、相手も安心して進められます
「ダサい」「もっと目立たせて」の言い換え表
つい使ってしまう言葉を、伝わる形に直した例です。
| つい言ってしまう | 伝わる言い方 |
|---|---|
| なんかダサい | 少し古い印象に見えます。もっと今っぽく、落ち着いた感じにしたいです |
| もっと目立たせて | ここが一番伝えたい部分なので、最初に目に入るようにしたいです |
| なんか間延びしてる | 余白が広く、1画面に入る情報が少なく感じます。引き締めたいです |
| 高級感を出して | 価格帯が高めなので、安っぽく見えないようにしたいです |
| 若い人向けにして | 主なお客様は20〜30代です。今は少し硬い印象に見えます |
| ごちゃごちゃして見える | 情報が多く、どこを見ればいいか迷います。優先順位をつけたいです |
| 全体的に微妙 | (具体化できないときは)特に気になる箇所を3つだけ挙げます |
コツは形容詞で終わらせず、「誰にどう見られたいか」まで書くことです。表の右側は、どれもお客様の目線で書かれています。
伝える手段は、画像が早い
文章だけで場所を説明しようとすると、かえって長くなります。
- スクリーンショットに印をつける:矢印や囲みを入れるだけで十分
- PDFに書き込む:複数ページあるときに便利
- 番号を振った画像+文章:いちばん誤解が少ない形
スマホでも、画像に書き込む機能が標準で使えます。5分の手間で、やり取りが1往復減ります。
「正解」を指示しなくていい
依頼側がよく陥るのが、自分で解決策まで考えようとして固まることです。
- ✕「この余白を20ピクセル詰めてください」
- ◯「なんとなく間延びして見えます。もう少し引き締まった印象にしたい」
困りごとを伝えれば、解決策はプロが考えます。専門的な指示を出そうとしなくて大丈夫です。
やってしまいがちな伝え方
修正を小出しにする
思いついた順に少しずつ伝えると、作業が何度もやり直しになり、期間も費用も膨らみます。ひととおり確認して、まとめて伝えるのが親切です。
修正回数に上限がある契約なら、なおさらです。小出しにすると、あっという間に回数を使い切ります(追加料金と範囲の決め方)。
社内で意見がバラバラのまま渡す
複数人の意見をそのまま伝えると、相反する要望が混ざって混乱します。社内で意見をまとめてから渡しましょう(社内で意見がまとまらないとき)。
好みだけで判断する
「自分が好きか」ではなく「お客様に伝わるか」が判断軸です。作り手の好みと、成果が出るデザインは別のこともあります。迷ったら「これは誰に向けたページだったか」に立ち返りましょう(ペルソナ設計の基本)。
返事を溜める
確認が遅れると、その分だけ公開も遅れます。制作が止まる原因の多くは、実は依頼側の確認待ちです。
遠慮しなくていい
最後に大事なことを。気になる点は、遠慮せずに伝えて構いません。「素人が口を出すのは失礼かな」と黙ってしまうと、納得できないまま公開されてしまいます。
良い制作者は、率直なフィードバックを歓迎します。事業を一番よく知っているのは、あなただからです。
まとめ
修正依頼は、どこが・どうしてほしいか・なぜそう思うかの3つを添えるだけで、驚くほどスムーズになります。
伝えるときは番号を振り、優先度をつけ、画像で場所を示す。専門的な指示は不要で、困りごとを伝えれば解決策はプロが考えます。まとめて、早めに、遠慮なく——これがいい制作物への近道です。
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