お店や事務所を構えていると、こんな営業を受けることがあります。
「初期費用0円、月々◯円でホームページをお作りします」
電話だったり、突然の訪問だったり。初期費用がかからないなら、と前向きに聞いてしまう方も多いはずです。
先にお伝えしておくと、月額制のサービスそのものが悪いわけではありません。ただ、契約の中身を確かめないまま判を押して、あとから困るケースが実際にあります。契約前に確かめたいことを整理します。
よくある契約の形
この手の営業でよく見られるのは、次のような形です。
- 初期費用は0円、その代わり毎月の支払いがある
- 契約期間が長い(数年単位のことも)
- 途中でやめると違約金がかかる、または残り期間分を払う
- 契約の相手が制作会社ではなく別の会社(リース会社など)になっている
特に注意したいのが最後の点です。支払いの契約が別の会社と結ばれていると、制作会社との関係が切れても、支払いだけは続くことがあります。
まず、総額で計算する
月額で聞くと安く感じますが、必ず総額に直してください。
たとえば月1万5千円で5年契約なら、
1万5千円 × 60か月 = 90万円
です。「初期費用0円」の印象とは、かなり違う金額になります。
この総額が、作ってもらえるものと釣り合っているか。ほかの制作者に見積もりを取って比べると、判断しやすくなります(見積もりの比べ方)。
契約前に確かめたい5つのこと
① 契約期間と、支払いの総額
何年契約で、合計いくら払うのか。書面で確認してください。口頭の説明だけで決めないことです。
② 途中でやめられるか
事業の状況は変わります。途中で解約できるのか、そのとき何を払うのかは必ず聞いておきましょう。「解約はできません」「残り期間分を一括で」という条件なら、それを承知のうえで契約するかを考える必要があります。
③ 契約の相手は誰か
契約書に書かれている会社名を確認します。制作会社と支払い先が別の会社になっていないか。なっている場合、制作会社が対応をやめても支払い義務がどうなるのかを確かめてください。
④ 月額に何が含まれるか
毎月の支払いに、サーバー代・ドメイン代・更新作業・保守のどこまでが含まれているのか。「更新は別料金」というケースもあります(公開後、毎月いくらかかる?)。
⑤ 解約したら、何が残るか
これが見落とされがちです。契約が終わったとき、
- ドメイン(サイトの住所)は自分のものになるのか
- サイトのデータは渡してもらえるのか
ここが制作側の名義のままだと、解約した瞬間にサイトも住所も失うことになりかねません。何年も使って覚えてもらった住所を手放すのは、大きな損失です(サイトの権利と名義)。
その場で決めない
営業でよく使われるのが、即決を迫る言葉です。
- 「今月中のお申し込みなら特別価格です」
- 「モニター枠があと1つだけ空いています」
- 「今日決めていただければ初期費用を無料にします」
どれもその場で考える時間を奪うための言い方です。本当に良い条件なら、数日考えても消えません。
契約書をもらって、いったん持ち帰る。これだけで、多くのトラブルは防げます。持ち帰らせてもらえない場合は、それ自体が判断材料になります。
事業の契約は、取り消しが難しい
「あとでクーリング・オフすればいい」と考える方もいますが、事業のために結んだ契約では、クーリング・オフが使えないことが多いです。個人の買い物とは扱いが違います。
つまり、一度結んだら簡単には取り消せないと考えておくのが安全です。だからこそ、契約前の確認が大事になります(契約書は必要?)。
(※個別の契約がどう扱われるかは内容によって変わります。すでに契約してしまい困っている場合は、早めに弁護士など専門家や、商工会議所・商工会に相談してください)
月額制を選ぶなら
月額制には、最初にまとまったお金がいらない、更新や保守を任せられるといった良さもあります。条件が明確で、納得できるなら十分に選択肢になります。
大事なのは、次の3つがはっきりしていることです。
- 総額がいくらか
- やめたいときにどうなるか
- やめたあとに何が自分の手元に残るか
この3つを聞いて、はっきり答えが返ってくる相手なら、安心して検討できます。
まとめ
「初期費用0円」の営業は、月額 × 契約期間の総額で考えるのが基本です。そして途中解約の条件と、解約後にドメインやデータが残るかを必ず確かめてください。
その場では決めず、契約書を持ち帰る。ほかの制作者の見積もりと比べる。この2つだけで、後悔する契約はかなり減らせます。
Sea Soundでは、制作費と毎月かかる費用を分けて、総額と条件を最初に書面でお示ししています。今の契約内容が気になる方のご相談も、無料相談からお気軽にどうぞ。