デザインは自分で作った、あるいはデザイナーに作ってもらった。あとはWebページとして動く形にしてほしい——こうした「コーディングだけ」の依頼は、実はよくあります。
ただ、デザインの画像だけを渡して「これでお願いします」と頼むと、見積もりも仕上がりも、思っていたものとずれやすいのがこの依頼です。
これまで制作・デザイン・コーディングに100件以上関わってきた立場から、依頼前に伝えておきたいことを整理します。
「1枚いくら?」だけでは、金額が決まらない
以前、何の前情報もないまま「LPのコーディングは、1枚どれくらいでできますか?」と聞かれたことがあります。「5万円からになります」とお答えしたところ、「うちでは1〜2万円でやっているので、高い」と言われ、お話はそこで終わりました。
どちらが正しいという話ではありません。前提がそろっていないまま、金額だけを比べていたのです。
同じ「LP1枚」でも、コーディングの手間は中身によって大きく変わります。
- スマホ対応をするか(今はほぼ必須です)
- 動きがあるか(スクロールで表示される、スライドする など)
- フォームや予約など、機能が付くか
- 原稿や画像がそろっているか
- ページの長さ、セクションの数
情報がないと、制作者はいちばん単純な場合の金額で答えるしかありません。逆に、安い金額を提示された場合も、何が含まれているかは確認が必要です(見積もりの比べ方)。
依頼前に伝えておきたいこと
デザインと一緒に、次のことを伝えると見積もりが正確になり、後のずれも防げます。
① スマホ版のデザインがあるか
パソコン用のデザインしかない場合、スマホでどう見せるかは制作者が考えることになります。それで問題なければ「お任せします」と伝えれば十分ですが、こだわりがあるなら最初に伝えましょう。
② 動きや機能の有無
デザインの画像には、動きは写りません。「ここはスライドさせたい」「ボタンを押したらフォームが開く」など、画像だけでは分からない部分は言葉で補ってください。
③ 原稿と画像は確定しているか
これがいちばん大事です。理由は次の章で説明します。
④ 公開まで頼むのか、データを納品してもらうのか
サーバーへのアップロードや公開作業まで頼むのか、作ったデータを受け取るだけなのか。ドメインやサーバーを誰の名義で持つかも、このときに確認しておくと安心です(サイトの権利と名義)。
⑤ 修正は何回までか
デザインが決まっていても、実装してから気づくことはあります。修正の回数と、範囲外になる変更を最初に決めておきましょう(契約書は必要?)。
原稿が「仮」のままだと、何が起きるか
コーディングの現場でとても多いのが、デザインは仮の文章・仮の画像で作られていて、本物の原稿や写真は実装の段階で届くというケースです。むしろ、そちらのほうが多いくらいです。
このとき、次のことが起きます。
- 仮の文章・画像のまま、デザインどおりに組み上げる
- あとから本物の原稿と写真が届き、差し替える
- 本物の文章は文字量が違うので、デザインどおりに収まらない
- レイアウトの調整が必要になる
さらに、実装の段階に入ってから文言の差し替えやレイアウトの変更が重なり、場合によっては新しいページの追加まで出てくることもあります。デザインの段階なら絵を直すだけで済むものが、実装の段階では組み上げたものを作り直すことになります。
「デザインは決まったのに、また直し?」と感じる手戻りの多くは、この流れから生まれます。原稿と画像は、できるだけ確定させてから渡す。これだけで、期間も費用もかなり変わります。
仕上がりの確認で見てほしいところ
納品されたら、次の点を確認してみてください。
複数の端末・ブラウザで見る
自分のスマホではきれいでも、ほかの端末では崩れていることがあります。実際に、Safariだけで崩れる、AndroidのChromeだけで崩れるといったことは起こります。iPhoneとAndroid、両方で見るのがおすすめです。
表示の速さ
写真をそのまま載せると、表示が重くなります。私は画像は必ず圧縮してから組み込むようにしています。見た目がほぼ同じでも、表示の速さが変わります(表示速度とスマホ対応)。
パソコンの画面幅を変えてみる
意外と見落とされるのが、ノートパソコンや狭いウィンドウで見たときです。デザインの幅より画面が狭くなると、レイアウトが崩れることがあります。私はこの場合、ページ全体が比率を保ったまま縮んで表示されるように作っています。ブラウザの幅を少し狭めて、崩れないかを確かめてみてください。
まとめ
コーディングだけを頼むときは、デザインの画像だけでなく、スマホ版の有無・動きや機能・原稿と画像の状態・公開まで頼むか・修正回数を一緒に伝えましょう。「1枚いくら?」だけでは、金額も仕上がりもずれてしまいます。
そして、原稿と画像はできるだけ確定させてから。仮のまま進めると、実装の段階で手戻りが起きやすくなります。
Sea Soundでは、制作会社からの依頼を中心に、これまで100件以上の制作・デザイン・コーディングに関わってきました。デザインがある段階でのご相談も、無料相談からお気軽にどうぞ。